新しい傷の処置

5、6月はゴールデンウイーク、運動会、登山、遠足などたくさんの行事があり、医院にも小さな擦り傷や引っかき創から縫合が必要な創、トゲ刺症など様々な外傷の方が来院します。

創を痂皮(かさぶた)にせず、乾かさずに治すという『wet dressing』が最近では常識になりつつあります。創をかわかさないように貼りっぱなしにする創傷被覆材剤もたくさん市販されています。
そのような被覆剤を使用する場合に気をつけてもらいたいことが数点あります。
① 傷は最初に必ず水道水と石けんでよく洗浄すること。
②感染のリスクを減らすため、できる限り異物を取り除いてから被覆剤を貼ること。
②深く開いているような傷、組織欠損が大きい創(えぐれているような創)、壊死組織がついているような傷は、貼りっぱなしの創傷被覆剤の適応ではありませんし、医療機関の受診をすすめます。
③感染がある場合は使用しないこと

浅い擦り傷の場合は、感染がなく、浸出液が多くなければ創傷被覆剤で早く綺麗になおすことは可能です。しかし、特別な医療材料を使用しなくても、1日1回は創をよく洗浄し、軟膏をつけ乾かさないように覆うという普通の処置でも早く治ります。その場合、普通のガーゼだと剥がす際に痛みを伴い、せっかくできかけている皮膚を傷めてしまうため、創にくっつきにくいガーゼを使用します。
また、普通の絆創膏の貼りっぱなしにしておくのも、皮膚がふやけ、創傷治癒をさまたげるためあまりよくありません。