口唇の色素沈着と日常のケアや治療について

口唇は他人から注目を集めやすい部分で顔全体の印象も左右します。

唇の特徴から説明すると、唇は皮脂腺がなく、角質層も薄く乾燥しやすいところです。
また、肌のターンオーバーが5日と短く(年齢によって違いますが顔の肌のターンオーバーは通常28日です) 、ケアや治療の効果がでやすいところです。
そして重要なことは、メラニン色素がなく、外からの刺激に弱く、紫外線を浴びるとその影響が出やすいことです。顔には日焼け止めを使っていても、唇に日焼け止めを塗っていない方が多いと思います。
そのような口唇の特徴の他に、落ちにくい口紅の使用や摩擦、喫煙などの影響で口唇は色素沈着しやすいといえます。

口唇の色素沈着の タイプは様々ですが、
①点状のシミのようなタイプ
②口唇全体が色素沈着しグレーがかってみえるタイプ
③口唇の輪郭を描くように色素沈着しているタイプ
があります。
①のタイプは、アトピー性皮膚炎を合併している方にも多く、アトピーにより皮膚のバリア機能が低下した状態が引き金 になります。
日常 のケアとして口唇の色素沈着を防ぐために大切なことは
① 毎日の紫外線対策(紫外線防止効果のあるリップクリームを下地に使う)
②ターンオーバーの促進(かゆみやヒリヒリがなく皮向けのみならリップ専用のスクラブを)
③口紅やリップを完全に落とすこと
④保湿
⑤摩擦をさける
⑥禁煙
です。

できてしまった色素沈着沈着には上記を守った上で、色素沈着のタイプに応じて、レーザートーニングや光治療、Qスイッチヤグレーザー や内服、ビタミンCの外用が有効です。口唇はターンオーバーがとても短いので、効果がでやすく、レーザーなどの治療の後もテープなどで保護する必要がありません。また、1箇所であれば切除することもあります。口唇の傷は全くわからなくなることが多いです。また、口唇にホクロが生じる場合もあります。