毛虫皮膚炎について

気温も上がり、草木もよくのびる季節になりました。先日、スタッフ全員で医院の周りの草むしりをしました。
最近は雨の日も多いですが、初夏の訪れとともに、草むしりや外遊びなどの屋外活動が増え、皮膚に有害な虫も増えます。この時期に一致して毛虫皮膚炎も発生します。

体を覆っているたくさんの毛に毒がある毛虫は一部ですが、チャドクガ、モンシロドクガ、ドクガ、キドクガなど多くの種類があります。毛虫は種類によって決まった植物の葉っぱをエサにする習性があり、チャドクガであれば、ツバキやサザンカなど、モンシロドクガであれば桜や梅の木に多くいます。どれも住宅やマンションの植栽によく使われている木です。毛虫自体はいなくても、毛虫が通った葉っぱにも毒針がついていて、それを触っただけでもかゆくなる場合もあります。また、触ってしまった手で、体などに触るとそこもかゆくなります。
部位的には衣類で覆われていない首回りや腕に出ることが多いのですが、長袖を着ていても目の粗い生地のシャツなどは毛虫の毛が貫通します。その服を脱ぐときにさらに毛が刺さり、搔くと悪化します。干していた洗濯物に毒針がついていて毛虫皮膚炎になることもありますので、庭にツバキやサザンカの木がある方は洗濯物を干す場所にも気をつけてください。
着ていた服は毛虫の毒針が残っている可能性が高いため、ガムテープの粘着力で剥がしとって、シャワーでよく流し、他のものと分けて洗濯します。
かゆい発疹がたくさんでてしまっても、ステロイド外用剤を中心とした治療で1週間くらいでよくなります。こじらせると長引く場合もあります。