眼瞼下垂症は誰にでも起こる可能性がある?

近年、眼瞼下垂症手術の普及は目覚しいものがあります。眼瞼は、顔貌の中で目立ちやすいところであり、手術には機能的な改善のみでなく、整容的改善も強く求められます。
眼瞼下垂症はまぶたが重くかぶさり、正面視で瞳孔にかぶさる状態のことをいいます。眼をあけるために無意識に眉あるいは顎を挙上しようとするため、頭痛や肩こり、眼精疲労などを併発することもあります。

生まれつきのものは、眼瞼挙筋(瞼を開ける筋肉)の形成不全でおこります。片側性のものが多いですが、両側性もあります。
後天的におこるものでは、加齢により徐々におこるものやコンタクトレンズ(特にハードコンタクトレンズ)の長期装用者、アトピーや花粉症で瞼をこする習慣のある人におこることがあります。中には重症筋無力症や動眼神経麻痺など疾患によっておこることもあります。

最も多い加齢による眼瞼下垂症は、多かれ少なかれ誰にも起こりうるもので、身近な疾患とも言えます。

加齢による眼瞼下垂症のうち皮膚性のものは、上眼瞼の余剰皮膚を瞼に沿って切除し縫合します。
眼瞼下垂症が、皮膚のたるみよるものでなく、眼瞼挙筋という眼を開ける筋肉のゆるみによって起こっている場合は、のびきった挙筋腱膜を短くして上まぶたの支持組織である瞼板に再度縫い付けます。現在最も多く行われている方法です。術後の内出血や腫れが完全に落ち着くには2週間程度かかります。
眼瞼挙筋の機能がほとんどない場合には、太ももの筋膜をおでこの筋肉と上まぶたの間に移植することもあります。

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